黒澤清監督ということで注目度も高い今作がAmazon primeで配信されていたので鑑賞しました。
※以下、ネタバレを含みますので、未鑑賞の方はご注意ください。
また、一度しか観ていないため、細かな記憶違いがあるかもしれません。ご了承ください。
目次
「Cloud クラウド」好みだったポイント
予想もしていなかったストーリー展開
序盤、転売ヤーとして活動している吉井が引っ越しをして、そこで嫌がらせをされる。そこまでは大変そうだなーくらいにしか思わなかったのですが、何やら掲示板で吉井を特定して殺そうとしている集団が現れ始めます。
そしてその集団の正体が吉井の元上司や、仕入れで買い叩かれていた人物や、先輩。作中で吉井から被害?にあっていたのは分かりますが、殺すまでいってしまうというバランスの歪みに一気にやられてしまいました。
そこから佐野くんも参戦し、銃撃戦をし始める信じられない展開になっていきますが、予想外の展開になっていくのは映画鑑賞において個人的に大好きな要素なので、かなり興味を惹かれました。
ゾッとする演出
この映画は基本的に吉井の行動を追っていくのですが、時折差し込まれるゾッとするシーンがホラー的で良かったです。
具体的にはバスの中で吉井の後ろから覗き込んでいる謎の人物、夜に吉井の家に訪れる謎の人物(後に元上司と判明)。
元々ホラー好きの私にとって、この様な演出は気味の悪さもあいまってすごく良かったです。
佐野くんという最高のキャラ
アシスタントの佐野くん、最高です。
クビになったにもかかわらず、謎の組織から銃を受け取り、吉井の携帯をGPSで追跡するという有能っぷり。そして謎の戦闘能力。
組織がどういうものかを説明しないことで、こちらが勝手に想像を広げる事になるのも上手いなと思いました。
いま思えば、吉井の引越し先に物を投げ込んだ犯人を一瞬で捕まえたり、車を用意して「ずっと使っていいですよ」と言ったり、秋子の誘惑にも乗らないといった常人ならざる要素がありましたね。
こちらに委ねるラストの解釈
私の解釈ですが、ラストは明らかに外の風景がおかしい車内で吉井が「ここは地獄の入り口か」の様な事つぶやきます。
銃で人を殺してしまった吉井はもう普通の生活に戻れないという事を暗示、更には佐野くんという無条件で吉井の障害を取り除き続ける悪魔的な存在につきまとわれた吉井の心境でもあるのかななんて思いました。
ラストに余白のある映画は、解釈を自分で考える事になりますが、これも映画鑑賞の醍醐味ですね。
「Cloud クラウド」気になったポイント
機械的なセリフと口調
これは監督が意図してやってる事だとは思いますが、登場人物達のセリフがやけにセリフっぽく、実在感が無いのが好みではありませんでした。
口調も今どきではなく、少し古い時代の話し方なような気がして乗れませんでした。
何を考えているか分からない人という効果を狙ったのでしょうか。
秋子の存在意義
序盤からワガママ全開の秋子、引越し先でも環境が気に入らずに出ていったかと思えば、拉致された吉井の元を駆けつけ「また来るね」と話す。
この辺で、本当は秋子なんて存在せず吉井の脳内が作り出した幽霊的な存在なのかなと思いましたが、最後には銃を持ちながらクレジットカードをよこせと言い佐野くんに射殺される。
理解が追いつかなすぎて、このキャラが必要なくても話が成立しそうな気がしました。
またそれも監督の狙いなのかも知れませんが。
「Cloud クラウド」まとめ
アレコレ書きましたが、途中話が展開していくところからは笑顔で鑑賞できるような楽しさがありました。アクションやシュールな笑いもあって、個人的には大満足。
特に黒澤清監督らしい半透明のカーテンや、異世界感も見どころです。
2025年 4月 25日現在、「Cloud クラウド」はAmazon primeにて鑑賞可能です。
気になる方はこちらから鑑賞できます↓↓↓